結論:営業・事務は「人が担う作業」が多い
先に答えです。求人票に書かれた作業を数えると、営業もバックオフィスも「人が担う作業」が大半でした。
| 職種 | 求人数 | 人が担う作業の割合 | AIを使う作業が書かれた求人 |
|---|---|---|---|
| 営業・マーケティング | 1,759件 | 85.7% | 9.8% |
| コーポレート・バックオフィス | 455件 | 73.1% | 6.2% |
母数は求人8,576件のうち、その職種に分類できた件数です。左の割合は「作業の行」を数えたもの。右は「求人の件数」を数えたものです。数え方が違う点にご注意ください。
「人が担う作業」とは、提案・調整・判断など、人のやりとりが要る作業のことです。
AIが手伝いやすい作業と、人が担う作業
どの職種かではなく、どの作業かで見ます。8,576件の求人全体での出現率です。
AIが手伝いやすいと分類した作業
- 一次対応・事務処理 948件(11.1%)
- 資料作成 637件(7.4%)
- レポート作成 329件(3.8%)
- データ入力・集計 196件(2.3%)
人が担うと分類した作業
- 提案・顧客関係 3,163件(36.9%)
- 折衝・調整 1,005件(11.7%)
- 意思決定・責任判断 558件(6.5%)
数字を見ると、事務作業がまるごと消える形にはなっていません。求人1件の中で、手伝われやすい部分と人が担う部分が混ざっています。
「AIを使う作業」が書かれていない=足せる余地
ここが今回いちばん伝えたい点です。
AIを使う作業が書かれた求人は、営業で9.8%(1,759件中)、バックオフィスで6.2%(455件中)。全体の21.0%(8,576件中)より低い水準です。
これは弱点にも見えます。ただ、裏返すとまだ埋まっていない場所でもあります。9割の求人に書かれていないなら、自分の職務経歴書に先に書ける、ということです。
年収の現実:代替されにくいことと、給料は別
ここでいう年収は、求人票に書かれた提示額です。実際にもらえる額ではありません。
年収の中央値(その職種の求人のまん中の額)はこうなっています。
- 営業・マーケティング 600万円(1,759件)
- コーポレート・バックオフィス 535万円(455件)
- その他(非IT) 550万円(819件)
- 全体 625万円(8,576件)
人が担う作業の比率が高い職種でも、提示年収が高いとは限りません。代替されにくいことと、給料が上がることは別です。
一方で、営業・企画・管理の求人3,356件だけを取り出して、職種・地域・経験年数などの条件をそろえて比べると、AI活用の作業がある求人367件の提示年収は10.4%高くなっています(数え方のばらつきを考えると7.1〜13.8%の範囲)。
ただしこれは求人の傾向です。「AIを覚えれば年収が上がる」という意味ではありません。
未経験の入口と、Excel/VBAの立ち位置
未経験可の求人は全体で25.5%(8,576件中)。バックオフィスでは29.7%(455件中)、営業では30.1%(1,759件中)でした。
Excel/VBAを挙げる求人は749件。そのうち34.2%が未経験可で、入口としては広いほうです。ただし年収中央値は500万円。今回まとめた41スキルの中でいちばん低い水準でした。
入りやすさと、提示年収の高さは、同じ方向を向いていません。
外の調査はどう言っているか
国際労働機関(ILO)が2025年に出した世界を対象とする推計では、世界の雇用の24%が生成AIの「曝露」がある職業にあたるとされています。曝露とは、その作業をAIが肩代わりできるかどうかを測った指標です。ILO自身が「雇用への実際の影響ではない」と書いています。データ入力や簿記の事務は、曝露が高い区分に入っています。
日本の調査もあります。JILPTが2024年に行った意識調査(自分でAIを使う人1,854人が回答)では、これまでの作業が自動処理になったと答えた人が58.6%。同時に、新しい作業が増えたと答えた人も42.1%いました。減る側と増える側が同時に起きています。
明日からできること
- 自分の一週間を、AIが手伝いやすい作業と人が担う作業に分けて書き出す
- 手伝いやすい側(資料作成・一次対応・集計)で、実際に試した工夫を1つ残す
- 職務経歴書に、提案・調整・判断の実例と、AIを使った工夫を1行ずつ足す
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このデータについて
type.jp・Greenに2026年7月27日時点で載っていた求人8,576件を数えたものです。
東京の求人が70.0%を占め、IT・Web業界にかたよっています。日本全体の平均ではありません。
1つの時点を切り取った数字なので、「増えた」「減った」は分かりません。
求人票に書かれた内容を機械的に分類しており、分類の誤りは全体で34.0%と見積もっています。
数え方と、このデータで言えないことは数え方のページにまとめています。