結論:年収は高い。でも「安全だから」選ぶ職種ではありません
先に答えを書きます。
データサイエンティストなどのAI・データ職は、提示年収が高い仕事です。求人8,576件のうち、AI・データ職は301件ありました。この301件の提示年収は、中央値770万円です。全体8,576件の中央値は625万円でした。
ただし「AIに置きかえられないから安全」とは言えません。理由はこのあと順番に説明します。
なお、ここでの年収は求人票に書かれた提示額です。実際にもらえる額ではありません。
国の賃金統計には「データサイエンティスト」という職種の区分がありません(厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」2025年公表・日本・実測の基幹統計)。そこで、いま出ている求人票を数えました。
AI・データ職301件は、どんな作業でできているか
求人票に書かれた業務内容を3つに分けて数えました。
| 作業の種類 | AI・データ職301件 | それ以外8,275件 |
|---|---|---|
| AIが手伝いやすい作業 | 15.2% | 24.0% |
| AIを使う作業 | 55.1% | 10.1% |
| 人が担う作業 | 29.7% | 65.8% |
読みどころは2つです。
1つめ。AIが手伝いやすい作業は15.2%でした。それ以外の職種の24.0%より低い数字です。
2つめ。仕事の半分以上(55.1%)が「AIを使う作業」で埋まっています。ここが他の職種と大きく違うところです。
代替耐性スコア57.2を「危ない」と読んではいけません
代替耐性スコア(この記事の独自指標。仕事の中身が「人が担う仕事」寄りか「AIが手伝いやすい仕事」寄りかを0〜100で表したもの。50がまん中)を見ます。
- AI・データ職301件:57.2
- それ以外8,275件:70.9
数字だけ見ると「危ない側」に見えます。でも、そう読むのは間違いです。
このスコアは「AIを使う作業」を計算に入れていません。「人が担う作業」と「AIが手伝いやすい作業」の2つだけで計算しています。AI・データ職は仕事の55.1%が「AIを使う作業」です。つまり計算に使える材料が半分しかありません。残った材料で計算すると、点数は自動的にまん中(50)へ寄ります。
低いのは「代わりがきくから」ではありません。「ものさしの外にある作業が多いから」です。
職種ごとの件数と提示年収
AI・データ職を細かく分けると、次のようになります。
| 職種 | 件数 | 提示年収の中央値 | 代替耐性スコア |
|---|---|---|---|
| データサイエンティスト | 45件 | 850万円 | 54.7 ※参考値 |
| データエンジニア | 77件 | 761万円 | 52.4 |
| 機械学習エンジニア | 98件 | 750万円 | 51.3 |
| AIコンサルタント | 42件 | 726万円 | 74.5 ※参考値 |
どれも母数が45件〜98件と小さめです。参考値として見てください。とくに45件や42件は、数件の求人でも数字が動きます。
AIコンサルタント42件だけスコアが74.5と高めです。求人票に書かれた「人が担う作業」の割合が54.9%と高いためです。
求人が求めているスキル
求人8,576件のうち、それぞれのスキルに触れていた件数です。
| スキル | 件数(8,576件中) | 提示年収の中央値 |
|---|---|---|
| 生成AI/LLM | 1,470件(17.1%) | 718万円 |
| 機械学習 | 391件(4.6%) | 720万円 |
| データ基盤 | 301件(3.5%) | 800万円 |
| MLOps | 72件(0.8%) | 950万円 |
MLOps(作った機械学習モデルを、動かし続けるための仕組みづくり)は72件だけです。金額は高く出ていますが、件数が少ないので参考値です。
数として多いのは生成AI/LLMの1,470件です。求人の入口はここに集まっています。
入口は狭いです。未経験可は17.3%
AI・データ職301件のうち、未経験可の求人は17.3%でした。全体8,576件では25.5%です。入口は全体より狭いといえます。
未経験可の求人8,576件中2,183件は、提示年収の中央値が525万円でした。経験者のみの6,393件は650万円です。最初から高い提示額が並ぶわけではない、と考えておくのが安全です。
このデータについて
type.jp・Greenに2026年7月27日時点で載っていた求人8,576件を数えたものです。
東京の求人が70.0%を占め、IT・Web業界にかたよっています。日本全体の平均ではありません。
1つの時点を切り取った数字なので、「増えた」「減った」は分かりません。
求人票に書かれた内容を機械的に分類しており、分類の誤りは全体で34.0%と見積もっています。
数え方と、このデータで言えないことは数え方のページにまとめています。