結論:未経験可の求人は2,183件ありました
入口はあります。ただし、置かれている場所にかたよりがあります。
type.jp・Greenの求人8,576件のうち、未経験可は2,183件でした。全体の25.5%です。提示年収の中央値は525万円でした。経験者のみの求人6,393件では650万円です。
ここで1つお断りします。年収はすべて求人票に書かれた提示額です。実際にもらえる額ではありません。
この記事では「どこに入口があるか」を数字で見ます。1つの時点を数えたものなので、「増えた」「減った」は分かりません。
「AIが手伝いやすい仕事ほど未経験可」ではありません
きれいな階段にはなっていません。ここは正直に書きます。
求人の業務欄を1行ずつ読み、「生成・定型の作業」(資料作成、データ入力、テスト実施など、AIが手伝いやすい作業)が何割あるかで4つに分けました。
| 生成・定型の割合 | 件数 | 未経験可率 | 提示年収の中央値 |
|---|---|---|---|
| 0% | 3,726件 | 20.5% | 650万円 |
| 0超〜25% | 1,115件 | 16.2% | 695万円 |
| 25〜50% | 1,381件 | 22.2% | 600万円 |
| 50%超 | 1,241件 | 39.1% | 575万円 |
両端(0%の20.5%と、50%超の39.1%)の差は、数え方のばらつきでは説明しにくい大きさでした。
ただし、真ん中は上下しています。いちばん低いのは「0超〜25%」の16.2%で、いちばん上ではありません。
言えるのはここまでです。AIが手伝いやすい作業が多い求人ほど、未経験可が多く、提示年収は低めになりやすい。ただし一直線ではありません。
「AI関連なら未経験でも入りやすい」は誤りです
むしろ逆です。
- 生成AI/LLMを求める求人1,470件のうち、未経験可は21.6%。全体の25.5%より低い。
- MLOps(AIを本番で動かし続ける仕組みづくり)を求める求人72件では5.6%。
- 深層学習を求める求人49件では6.1%。
MLOpsと深層学習は、事実上ほぼ経験者向けです。AI・データ職301件で見ても未経験可は17.3%、それ以外の8,275件は25.8%でした。
「AIの求人が伸びているらしいから、未経験でも入りやすいだろう」という読みは、少なくともいまの求人には当てはまりません。
入口が広いのは、AIの名前がつかないスキルでした
未経験可率が高いスキルを並べます。
| スキル | 件数 | 未経験可率 | 提示年収の中央値 |
|---|---|---|---|
| Excel/VBA | 749件 | 34.2% | 500万円 |
| Java | 1,480件 | 30.7% | 650万円 |
| JavaScript | 1,210件 | 28.8% | 650万円 |
| Docker | 857件 | 27.2% | 700万円 |
| Python | 1,598件 | 26.2% | 700万円 |
Excel/VBAは入口がいちばん広い一方、提示年収の中央値は500万円で、この5つでいちばん低い数字です。入りやすさと提示年収は別だと分かります。
開発職以外にも入口はあります
むしろ、開発職以外のほうが広く開いています。
| 職種 | 件数 | 未経験可率 | 提示年収の中央値 |
|---|---|---|---|
| その他(非IT) | 819件 | 48.4% | 550万円 |
| 営業・マーケティング | 1,759件 | 30.1% | 600万円 |
| コーポレート・バックオフィス | 455件 | 29.7% | 535万円 |
3つとも、業務欄に「人が担う作業」が多いのが特徴です。営業・マーケティング1,759件では業務行の85.7%、その他(非IT)819件では79.5%、コーポレート455件では73.1%が「人が担う作業」に分類されました。
開発職だけを見て「未経験は無理そうだ」と決めるのは早いです。
求人票の見方:業務欄の「人が担う作業」を数える
やることは1つ。業務欄を1行ずつ見て、人が担う作業が何行あるか数えることです。
求人全体で多かったのは、次の3つでした。
- 提案・顧客関係:3,163件(全8,576件の36.9%)
- マネジメント・育成:2,791件(32.5%)
- 要件定義・ヒアリング:2,771件(32.3%)
こうした行が多い求人ほど、代替耐性スコア(この記事の独自指標。仕事の中身が「人が担う仕事」寄りか「AIが手伝いやすい仕事」寄りかを0〜100で表したもの。50がまん中)は高くなります。未経験可の求人2,183件全体では59.8、経験者のみ6,393件では72.7でした(1件ずつの平均ではなく、まとめて計算した値です)。
未経験可の求人は、人が担う作業の比率がやや低い側にあります。だから「入ったあとに何を任されるか」を、業務欄で確かめておく意味があります。
同じ未経験可でも、AI活用の作業がある求人は10.5%高い
未経験可の求人のうち年収が書かれている2,182件を見ると、業務欄にAI活用や自動化の作業が書かれていたのは367件でした。
職種・地域・経験年数などの条件をそろえて比べると、この367件の提示年収は10.5%高いという結果でした(ばらつきを考えると6.8〜14.3%の範囲)。
ここは読み違えやすいところです。「AIを使えるようになれば年収が上がる」とは言えません。分かったのは「AI活用の作業を業務欄に書いている求人は、条件をそろえても提示年収が高い」ということだけです。どちらが原因かは、このデータでは分かりません。
同じ未経験可でも、どんな作業が書かれているかで提示額は変わります。求人票を見比べる価値はあります。
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このデータについて
type.jp・Greenに2026年7月27日時点で載っていた求人8,576件を数えたものです。
東京の求人が70.0%を占め、IT・Web業界にかたよっています。日本全体の平均ではありません。
1つの時点を切り取った数字なので、「増えた」「減った」は分かりません。
求人票に書かれた内容を機械的に分類しており、分類の誤りは全体で34.0%と見積もっています。
数え方と、このデータで言えないことは数え方のページにまとめています。